おすすめ教材:英文解釈要約精講

今日は、管理人のtwelfです。今回紹介する教材はこちら。

 

英文解釈要約精講

f:id:oversea12:20201216013422j:plain

おススメ度:★★★★☆

問題数  :★★☆☆☆

問題文  :★★★☆☆

解説量  :★★☆☆☆

これまでのフォーマットではこの本をなかなか評価できないですね…。解説の量自体はそこそこ。そもそもがそんなに厚い本ではないのですが。「解説の質」みたいな項目を設けるならこの教材は天井突破です。

英文を読み解くため、主題文はどこか発見し、論理構造を掴み、長い英文をコンパクトに把握する能力を磨くには最適な教材です。

「といっても志望校で要約問題でないし、別の教材を探すかな…」という方、ちょっと待ってください。単なる要約問題への対症療法以上の価値がこの教材にはあります。

 

話は変わるのですが、皆さんは速読力を磨くために何をしていますか?大学入試の英語長文で時間が足りないという悩みを抱えない生徒は稀です。

処理スピードを上げるため、リスニング対策がてら多読多聴?文脈を追うために多くの英語長文を時間区切ってひたすら演習?シャドーイング?もちろんこれらも効果があるでしょう。

盲点になりやすいのは、「文章の勘所と具体説明を把握しつつ、スピードにメリハリをつけて読む」「質問文を見た後に、文章のどこに答えがあるのか素早く検索する」これらの能力でしょう。

その力を付けるために、要約能力の養成は避けては通れない道なのです。

 

閑話休題。それではこの教材の中身について見ていきましょう。

 

◇教材の特徴

・長文を徹底解剖する力を

・文脈に左右されない地力を

「基礎編」「応用編」「発展編」「完成編」の4部構成。最初のうちは扱う英文は平易なものなのですが、段々と後半に差し掛かるにつれ、難関国公立などの歯ごたえのある英文が増えていきます。

手っ取り早く強力なストラテジーを得たいという方はまずは「基礎編」だけでも演習してみては。

第一文が主題パターン、最終文が主題パターン、途中の文が主題パターンの文。今読んでいる英文がどのタイプの文なのかがすぐにわかるようになります。

その段階まで到達するだけでもしめたもの。主題文の意味を確実に拾えるようにじっくり読み、それ以外の部分をテキトーに読み飛ばせばそれだけで長文読解の精度と速度が上がります。

「応用編」からは複数のパラグラフの結び付きについてに切り込みます。あれです。「主題→理由①、理由②、理由③→結論」的な奴です。実際に50字~100字程度の要約文を作成する練習もできます。

「発展編」からは内容が高度になります。表面上の意味から一歩踏み込んで、「筆者はなぜ今この話をしているのだろうか?」「その意図は?」という一段深いところへ踏み込みます。いたずらに難しいしたいわけではなく、これにもきちんとメリットがあります。筆者の思考の流れを追うことで、次にどんな内容が来るのか、身構えつつ読むことができるようになります。

「完成編」はこれまでの内容を試す実践の場、要約の大問に太刀打ちすべく、解答力を磨く場です。10題ほどの問題が所収。合格目指し突き進め若人よ!

英語力にまだ自信がなかったり、直接的に要約の記述が入試の場で問われない人は「応用編」の演習までしてみることをお勧めします。ここまで取り組んでおくだけでも全然変わります。いや本当に。

 

◇おススメポイント

英文の内容に左右されない読解力が身に付きます。長文問題をとにかく数をこなすだけ、という勉強法の場合、怖い落とし穴が一つあります。

数多くの文章に当たり、頻出の話題とそれに対応したあるあるの論理展開に慣れ切ってしまうと、いざそれから外れた文章にぶち当たった場合、あっさりと読み違えて敗北してしまうのです。

数をこなすことでこの落とし穴を回避するのは非常に大変です。大学の先生は問題作成の場合、普段自分が読んでいる英文雑誌だったり、書籍からこれはと思う文章を引き抜き、そこから質問文を練ったり、註を入れたり、ネイティブの監修のもと必要があればレベル感にあった簡単な表現に入れ替えたり…、などして実際の入試問題を作成するわけです。

なので、大学入試の場で実際に触れる場合、何かしらの新しい議論を含む英文となり、古い過去問ばかりに触れている勉強法ではその論理についていけなくなるわけです。

一昔前の言語論、人口に膾炙したメディア論、もう常識になってしまったような文化論、それに意を唱えているような文章が入試の場では出てくるわけです。

このように変化球を含んだ投球術を見せてくる英文に立ち向かうには、論旨を先入観ではなく英文そのものから正確につかみ、「ここからそれにNOを突き付けるよ」「まだ納得してないみたいだからもう一つ根拠を挙げるね」といった呼吸を掴む必要があるわけです。

別に特殊な技術ではありません。我々は小学校からの国語の授業で多かれ少なかれ叩き込まれています。新書などを読む際には無意識的に行っている読解法です。

ちなみに、外国語でもこの手の読書法を身に付けておくことは大学での授業や英語を活かして読み書きする仕事に就くうえでは必須の能力になります。ここまで言えば取り組みたくなっては来ませんか?どうでしょうか。

 

◇使用時期について

受験学年の夏までに「基礎編」と「応用編」をこなすことができれば非常に強い!普段の英語長文の勉強に生かして読解法の修正を図りましょう。直接要約文の出題がある大学の志望の方は秋ごろに「発展編」と「完成編」を仕上げれば文句なしです。

 

◇最後に

王道を行きたいタイプの受験生さんにおすすめです。ここまで見ると物々しい内容の教材に思えるかもしれませんが、意外と薄く、さらっとこなすことができます。是非是非取り組んでみてください。