おすすめ教材:「有名」私大古文演習

「有名」私大古文演習

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おススメ度:★★★☆☆

問題数  :★★★★☆

問題文  :★★★★☆

解説量  :★★★☆☆
河合塾から出ているシリーズのうちの一冊。これの上位教材として、首都圏「難関」私大古文演習があり、想定志望校レベルに近づきます。この記事を読んで、良いなと思ったらそちらもご検討あれ。

執筆は河合塾の講師陣。表紙は地味な茶色でいかにもな古文教材といった印象です。第一刷は2015年ということで、参考書のなかでは新しくも古くもないといった案配でしょう。とはいえ、現代文や英語長文と違い、古文読解に古いも新しいもありません。
それでは、肝心の中身を見ていきましょう。

◇教材の特徴

・豊富な問題量

・実戦形式での演習

・必要十分な解説

収録問題数は20題。この手の参考書としては少し多めですね。出典は、作り物語、歴史物語、説話、日記、随筆、近世文など偏りは基本ありませんが、歌論書が載ってないのが気になりますかね。一応近年の出題傾向の一つではありますし。

大学は、日東駒専~GMARCH+全国の同レベル帯。ですので、問題形式は基本的にマーク式です。問題文は別冊に収録。解答解説が本冊のスタイルですが、そこまで厚みに違いはありません。

当問題集の特徴ですが、まずは各問題の合格基準として点数が示してあること(合格確実、合格可能性あり、頑張れ!の三段階)。各大学の国語の問題から古文に割ける時間を割り出した(本当だとしたらうれしいですね)、という解答時間も指定されており、本番チックな緊張感をもって演習することができます。

解説の構成について。まず「本文解説」として、本文の話の流れが書いてあります。学校の古文の先生の雑談チックな内容で、そういうのが好きな人は本文と照らし合わせつつ読むとよいと思います。効率重視の演習であれば読み飛ばしても大きな問題はないでしょう。

次は本文の品詞分解...というより、用言の活用や、助詞助動詞の意味、重要単語などの補足+本文の全訳が載っています。人によってはもうすこし細かい本文解説が欲しいと思うかも。

続いて設問の解説、正解を導き出す思考法はわかるけれども不正解選択肢の吟味に関してはそれなり。まあオーソドックスな分量だと思います。

◇おススメポイント

本教材のおススメポイントは、なんといっても本番を意識した雰囲気で演習・実力診断が出来ること。モチベーションの維持や本番を意識した仕上げに非常に効果的です。あとは解説もそこそこ載っているので復習も十分に可能。

古文の勉強の難しい点のひとつとして挙げられるのが、東進の過去問サイトや、あとは一部大学の赤本などは全訳が示されないこと。十分な解説を得られないままに、「問題解きっぱなし」の状態に陥ってしまっている受験生を見ることは多いです。

「ガッツリ赤本」期間に入る前に、この教材で過去問の試運転をするのが良いと思います。志望校選定の助けにもなりますしね!

そこまで欠点らしい欠点はないのですが、注意事項としては、解説の量や精度に関して言えば、polaris古文シリーズや、全レベルシリーズに一歩劣る点。

あとは解説の「出典」のところがさすがに貧弱。タイトルと時代とジャンルと著者が箇条書きになっている程度で、本番までに何をどの程度のレベルで仕上げるべきかが全く見えてきません。私大形式こそ文学史の知識が必要なのに...。

文学史の勉強に根本的にメスが必要な生徒の場合、正直助けになりません。「SPEED攻略10日間 文学史」で必要最小限を駆け抜けるか、「古文上達56」で応用の効く知識をじっくり蓄えるか。どちらでも良いと思いますが、とにかく別教材の助けが必要になるのは確かです。

◇導入の時期について

古文単語を一通り覚え、古典文法に一通り習熟し、逐語訳が可能となり、ある程度スピードのある読解ができるようになり、さあそろそろ力試しでもしてみるか!となった生徒さん向け。

これまでの学習で何をどれだけやってきたかにもよりますが、基本的には秋前後の時期がそれにあたるのかと。類似教材で言えば、「polaris古文シリーズ」「全レベルシリーズ3・4」はこの教材より先にこなしておくとよいと思います。そちらの方が品詞分解が詳細だったり、設問に対する解説が充実しています。

これら教材を経て、ある程度は地力でも不明点を消化できるようになった段階...「有名」と「難関」はあなたを強力にサポートしてくれるはずです。

国公立志望の生徒より必要科目数は減るとはいえ、古文の勉強に例えば毎日毎日10時間も避けるだけの余裕はないと思います。この手の教材も本番までに5冊ほども仕上げればそれで精一杯という受験生が大半でしょう。

◇最後に

目についた教材をとりあえずやってみる、は古文ではできません。やる意義のある教材を、相応の精度を持ってこなすことが古文の各州においては必要になるわけです。その中の一冊として、私は本教材を強くお勧めします。使ってみた感想、いかがだったでしょうか?ご意見お待ちしています。